走れば早く着く。

トレイルラン、オリエンテーリング、登山に関するブログ。

チーム100マイル:チームラビット日記(1)

昨年の日記で2013年はファストパッキングを中心にやっていく~的な事を書いたのだが、幸運にもUTMBの抽選に当選し、今年はUTMBに向けて活動する事に方向修正した。

UTMBは前年落ちると翌年は出られるというルールが今年から廃止されたので、来年出られる保証は無い。次に出られるのは何年後かわからないし、仕事の巡り合わせ的にも毎年出られるわけではないので、

「今年キメるしかない」

そう、来年は無いのである。

その為、今年前半は、

[3月]伊豆TJ

[4月]UTMF

[7月]おんたけ100k

[8月]UTMB

というレースのロードマップを組んだ。

しかし、4年前の2009年にCCCを走った時に、UTMBを走り切るには。

「それ相当の力を手に入れなければならない」

ということはわかっていたが、ただ何となく8月まで自己練習をしていても、UTMBは完走出来ないだろうということはわかっていながら、具体的に何をしたらいいかわからず焦りを感じていた矢先に、チーム100マイル募集の告知があったので迷わず即申し込み、渋谷でおこなわれたキックオフにも参加した。

[caption id="" align="alignnone" width="500"] チームアキレウスのtomoさんと、めったに見られないスーツ姿の鏑木選手。[/caption]

チーム100マイルは、国内外の100マイル大会で入賞。またはそれ相当の実力があるエリートランナー達のチームアキレウス(約16名)を頂点に、その下に国内外の100マイルレースで上位で完走した経験か、それ相当の力があるランナーで構成されたチームラビット(約30名)。そして、100マイルレース経験は無いが100マイルレース完走を目指す人達で構成されたチームトータス(約30名)の3チームで構成されている。

自分は八ヶ岳100マイルは完走したものの、チームラビットのレベルには実力が足りないだろうと思っていたが、UTMBを完走するにはこれくらいのハードな環境に身をおかないと確実に完走が出来ないだろうという思いから、背伸びをしてチームラビットにエントリーした。

その後、選考期間があり幸運にもチームラビットに選んでいただいた。トータスは2倍の確率の人気チームだったので、もしかしたらトータス応募だったら選考漏れしていたかもしれない。とはいえ、ラビット選抜者のリストを見て顔が青ざめた。間違いなく自分はこの中で実力がビリ。セミナー初回の当日も自分が場違いなのは直ぐにわかった。

[caption id="" align="alignnone" width="500"] 鏑木さん自らがメンバー1人1人の紹介をおこなった。[/caption]

『自己紹介』 午前中のセミナーの最初は各自が自己紹介をしてその後に1人1人、鏑木さんが何故選んだのかをしっかり説明してくれるのだが、自分が選考に残ったのは、半年前に参加した「八ヶ岳スーパートレイル合宿」で、その時の鏑木さんの目には自分が相当ダメダメに映っていたようなのだが、本番で帳尻合わせて完走にこぎつけた「調整力」を評価していただいたとのこと。今回はただ速い人や経験がある人を集めたのではなく、いろいろな特性の人を混ぜて化学反応をおこそうとしている実験的な狙いがあるようにも思えたが、とにかく各々のレポートを丹念にしっかり見て選んでいた様子が話の節々から伺えた。

『激坂トレーニング』 午前の最初の練習は斜度最大30%の激坂トレーニング。3年前に1度経験しているが、その時やったのは5本くらいだったと記憶しているが、今回はそれが10本。最初の1本で坂のトップと思われた場所に駆け上がると、さらに左折してその先があった。そこでもう心が折れた。3本目からは脚が上がらず、時々歩いてしまうと、

「歩かない!」

容赦なく檄が飛ぶ。

周回遅れなのはわかっていたが、何周走ったのか?わからなくなるほど記憶が飛んでいた。全員が10本終わり、スイーパーの円谷先生に「もう十分」とドクターストップがかかったが、自分は8本目なのか9本目なのかわからないが、ラスト1本。最後までやりたかった。アキレウスのISOさん、tomoさんに励まされラスト1本を終えて、脚は完全にオールアウト。もちろん今までこんな状態になった事は無い。

[caption id="attachment_740" align="alignnone" width="567"] この左下にまだ長い坂が続く。[/caption]

 

『座学』 午後は、100マイルに必要なトレーニング方法の紹介。有料セミナーなので詳細は省略。

『高速25kmラン』 午後からは鎌倉アルプスを使ったトレイルでの高速ラン。上級チームなので基本、登りは歩かない。自分はこれまで登りは歩き、その遅れを下りの速さでリカバリーするというスタイルをとっていたが、午前中の激坂で下りの脚が終わっていて、得意の下りでも詰めることができない。時々登りを歩いていると、

「これ(辛さ)を味わいに来たんだろう!」

再び檄が飛ぶ 。

時折すれ違うハイカーがいて、スピードが遅くなる。その時がなんと天国に感じたことか。赤信号で止まれてラッキーと思いきや、横にある横断歩道へ。キックオフの時は上級セミナーと中級セミナーの間くらいという話だったが、完全に上級セミナー状態。そうなることは予測は出来ていたが、容赦ない追いこみが続く。

遅れながらも15kmくらいまではなんとか付いていったが、その先はもう完全に置いていかれて、脚は木の根を越えられないほど上がらずにコケそうになるばかり。最後の5kmは自分1人だけロードに降りての別メニューでゴールのクラブハウスを目指す。遂にラスト2kmでは脚が攣ってしまい走れなくなり、さらにハンガーノック。これでもかとメタメタにやられて半泣きで材木座のクラブハウスに帰って来た。

最後に、鏑木さんからも、

「次回はしっかり付いてきてくださいねっ」

と念を押され、第1回目は終了した。

自分は本当にこのチーム付いて行けるのだろうか?付いていくにはどうしたらいいのだろうか?みんなより高いレベルを目指す集団なので、遅い人を待っている時間は無い。

「仏の顔も三度まで」

もしあと何回かで全然ダメだったら、チームトータスのトップと入れ替えになる事は免れないだろう。下剋上の世界だ。しかし、自分がやれるだけのことをやりきっていれば、そういう判断を下されても快く受け入れられる。 なので、全てを見直し今やれるだけの事をやろう。考えられるのはそれだけ。

というわけで、

本日もMust be white out!!

Run or Die!!