OMM JAPAN 2017 - NOBEYAMA KOGEN - 1/3 DAY:1
「OMM JAPAN 2017 野辺山高原」に参加してきました。
第1回から毎年参加して、今年で4回目。
- 2014年 伊豆 ストレートロング:完走
- 2015年 嬬恋 ストレートロング:DSQ
- 2016年 大町 ストレートロング:DSQ
- 2017年 野辺山 ストレートB:(結果は最後に)
という結果でした。
今年から新設されたストレートAも検討しましたが、まずは前回のストレートロングと同等レベルの設定であるストレートBを、
「しっかり完走しよう」
を目標に「ストレートB」を選択。
昨年の大町大会では初日序盤の1つのミスで大きくタイムロスをしてしまい、時間が足らず完走できなかったという非常に苦い経験となったので、今年の「本命レース」という位置づけで準備をしてきました。2017年は月1で何らかのオリエンテーリング大会かロゲイニング大会に参加してきました。その効果もあり、今年になってようやく早大オリエンテーリング大会と東大オリエンテーリング大会を時間内に完走できるくらいになり(過去2年はDSQ)、ある程度地図読みスキル向上の手ごたえを感じてはいましたが、1発勝負のOMMはそんなに甘くないのは過去の経験からわかっているので、気を緩めることなく当日を迎えました。
バディは第1回目から同じカノ君。走力は自分より数段上なので、足をひっぱらないためにも今年1年かけて地図読み力を高めてきましたが、カノ君はオリエンテーリングの大会にはあまり参加していないのに、地図読みスキルは毎年レベルが高くなってきているのが謎。。チームとしての準備したのは、3月に開催されたOMO(奥武蔵マウンテンオリエンテーリング2017)と、OMM JAPANの2週間前に開催された「ロゲイニング チャレンジ菅平高原2017」に一緒に参加して、お互いの地図読みスキルの確認や、悪天候時の寒さとウェアリングのテストをおこないました。
「ストレートB:DAY1」
今回のストレートBは、
①Straight B
オリエンテーリング形式をとり、CP(コントロールポイント)を指定された順番に回り、所要時間を競います。
2日間の移動距離約55km、獲得標高約2500m/1日、平均完走タイム9時間/1日を想定したコースです。
というコース設定でした。
朝はスタート地点に向かう時は雨が降っていて、OMMらしい天候となりましたが、スタートして1時間後にはほぼ雨が止んで良い天候になりました。
写真:START地点でRUN OR DIE!!チームメンバーと。
写真:スタートを待つ選手たち。
初日の全9つのコントロールの中で、大きな判断を迫られたポイントは以下3点でした。
- ①1→2のルートチョイス
- ②4→5のルートチョイス
- ③6→7のルートチョイス
では、一緒に考えていきましょう。
写真:遠くにコントロールが見えると、テンションがあがります。
「①1→2のルートチョイス」
まずは、地図の赤丸の分岐地点に自分が立っていて2を目指す場合、あなたならどのようなルートをチョイスしたでしょうか?(スクロールすると解説画像が出てきます)
(thinking time...)
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ルートは無数にありますが、独断でザックリと分けると、おそらく、(下図)左側の細かいメッシュのような破線を通るルートか、右側の紫色ラインのロードを通る遠回りルートのどちらかを考えたと思います。
また、序盤で荷物も食料も満載状態で、そういった部分もOMMではルートチョイスの判断に影響が出てきます。私たちは右側の紫色のロードを選択しました。理由としては、今回は「まずは完走」なので、安全策であるロードを選択。また、左側の破線ルートは標高が詰まっていて荷物満載の状態で登るには傾斜がキツく、序盤で体力が削られるだろうと思った事。そして、ロードは一見遠回りなのですが、コースの半分は下りなので、走れば時間はそうかからないだろうという判断でした。一緒に同クラスに出た人に訊くと、ほとんどがロードを選択していたようです。
「②4→5のルートチョイス」
次に4→5ですが、地図の4に自分が立っていて5を目指す場合、あなたならどのようなルートをチョイスしたでしょうか?
(thinking time...)
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こちらも様々なルートがありますが、大きな方針としては、4番から南東に向かって沢を横切るピンクのラインと、街中を通る紫色のラインの2案が考えられたと思います。
こちらは上級者はピンクのラインを選択した人が多いようでした。私たちはやはり「とにかく完走」がコンセプトだったので、確実な町コースを選択。また、実はこの町に続くトレイルはKOUMI100の戻りのコースで、2ヶ月前に走ったばかりで知っていたこともあり、このルートにしました。町を一旦経由して、ふたたび山に向かうロードを進み、5の北側にトレイルとのY字の合流地点があるので、それを目印にして5の北側の太い尾根にとりつきました。ここはピークにコントロールがあるので、尾根にとりつけられれば発見は簡単でした。オフトレイルを選んだ人は、どう考えたでしょうか?分かりやすいY字の沢の分岐があるので、そこを中間の目印として一旦そこまで行き、そこから南東にある細かいトレイルの密集地帯にぶつかるので、そこを経由してロードに出てからは、町ルートと同じだったと思われます。
「③6→7のルートチョイス」
今回のストレートBのハイライトはここのルートチョイスだったと思っています。6にあなたが立っているとして、7(数字欠けてますが)にはどのように進もうと思ったでしょうか?
(thinking time...)
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ここは3つのルートチョイスが考えられました。1つ目(ピンク)は、6から北東へのびる尾根を通り、途中の林道から町へ出るルート。2つ目(緑)は、東の細かく入り組んだ尾根を通り柵の隙間を狙うルート。3つ目(紫)はロードを通るルート。
1つ目(ピンク)の尾根&林道ルートが迷うリスクも低く、早く着いたのではないかと思われます。おそらく上位チームはこのルートを選択したと思います。次に2つ目(緑)のルートは直線距離では一番短いですが、細かい尾根が入り組んでいて迷うリスクがあり避けました。私たちはやはりここでも安全策であるロードを通る3つ目(紫)ルートを選択しました。
というわけで、初日は時間内に全コントロールをクリアして、ゴールした時はホッとしました。そして、到着してみるとストレートB初日は以下の結果でした。
- 移動距離:40.5km
- 行動時間:6時間29分09秒
- 初日順位:総合7位
登りは一切走らず、藪漕ぎ少な目で、特に順位は意識せず「確実に完走」という安全策で来たのに、7位という予想以上の順位に驚きつつ、7位、8位、9位が秒単位の差であったので、
「目標は完走」
だったはずが、こうなると欲が出てきてしまうもので、
「ベスト10に入りたい」
と考えるようになりました。
(次回は装備編です)
写真:初日のゴールのテントサイトにて。
山と道:アルファハラマキ
山と道よりプロトタイプのアルファハラマキをお借りして実戦でテスト。
信越五岳100マイル(選手)とKOUMI100ペーサーで使用。
内側は同社のアルファアノラックと同じポーラテック・アルファダイレクトを使用。中央にポケットがあり、使い捨てカイロや行動食を入れる事ができる。
レースでは主に夜間パートで使用。
両レース共に前日まで仕事をしてからスタートラインに並び、身体のコンディションは良くない状態にあったが、このアルファハラマキを夜間に装着していたことで、胃腸不良は起こさず、胃腸は始終元気で最後までエイド食をモリモリ食べる事が出来た。
特に汗抜けが素晴らしくて、ハイクアップ時も暑過ぎる事はなく、シャツは汗でびっしょり濡れていても、ポーラテック・アルファダイレクトが効果的に機能して、ハラマキの内側は乾いた状態に保たれていた。
また、コルセットのような効果もあり、下りを走っても胃腸揺れを抑えてくれたおかげか、消化不良がいつもより軽減された事を体感した。
オーバーナイトのトレイルランでは身体は暑いがお腹は冷えやすいという矛盾した状態になる。ジャケットを着れば暑い。かといって脱ぐと身体は冷える、という体温調整のマネジメントの難しさがあるが、このアルファハラマキならその問題を一発解決できる。
アルファハラマキの詳細記事:
KOUMI100(ペーサー)
今年はペーサーで。#koumi100 #100miler #pacer
ご無沙汰しております。
MMA blogを卒業して、こちらに引っ越して来ました。
さて、blog再開最初の記事は先週参加したKOUMI100の話。
KOUMI100との付き合いは長く、
- 1年目は通りすがりの応援。
- 2年目はペーサー。
- 3年目は選手。
- そして4年目は再びペーサー。
として、今年もKOUMI100が開催される小海町へ来た。
昨年と町の雰囲気が違って感じだのは、「君の名は。」の新海監督がここ小海町の出身で、町中にポスターが貼られ、君の名はの美術展やお土産屋に君の名は。グッズが並び、今までより自慢できるものが明確となって活気がある感じだった。
そんな小海町で10月に開催されるKOUMI100。
1周32kmを5周するこの100マイルレースは、コース上で仲間とコース上すれ違えるループ部分を持つのが特徴。そして、4周目からペーサー(伴走)をつけて走ることができるシステム。完走に自信が無い。より記録を伸ばしたい。単に一緒に仲間と走りたい。などなど、ペーサーをつける理由は様々だ。
選手が元気ならペーサーは楽なのだが、、、
今回ペーサーについた選手は胃腸をやられて3周目を終えて合流地点にやってきた。これから始まる2周64kmは長い闘いになる事をこの時点で覚悟した。
何も食べられない選手にあれこれすすめるも、選手は何も身体に受け付けず、結局4周目も何も食べずに関門時間ギリギリに到着。そして、急いで準備して5周目に突入。普通なら棄権している状態だった。そして、開始早々に背後にスイーパーが張り付いて来た。
(また、ここを踏みに来た。シューズはナイキのテラカイガー4)
途中コース上ですれ違う仲間達は、我々のスイーパーを従えている状況とペースを考えると、完走は無理だと思っていただろう。
(朝5時くらい。モーニングムーン。)
スイーパーのプレッシャーを感じながら、乳(ニュウ)の登りをスローペースで登って行く。折り返しのニュウに関門3時間前に到着したら間に合うかもしれないと思っていたが、到着したのは3時間を切り残り2時間45分。ゴールできるかどうか?判断に迷う時間だった。
しかし、選手が下りを走れる脚が残っているのが分かっていたので、折り返しのニュウからの下りに賭け、下りはとにかく走った。
(稜線のピョコっと出てる箇所が折り返しのニュウ。今年は天気が良くてゴール地点からもコレが見えて、その遠さと高さに萎えた)
復路の稲子湯エイドへ到着。制限時間まで残り1時間45分。元気でも厳しい時間だったが、ここからの3km以上ある長い長い最後の登り。ここを歩いてしまうとゴールに間に合わない。
「この登り坂を走る地獄と、完走出来なかった時の地獄、どっちを選ぶんだ?」
60kmも何も食べていない選手に、聞こえていたかどうか分からないが、数々の厳しい言葉を浴びせて、長い登りを、走っては歩いてを繰り返した。
しかし、選手はその地獄に耐え、大方の予想を覆し、36時間の制限時間を17分”も”残し見事に完走。
ペーサーの役目完了。
途中、選手から辛い、キツイ、痛いなど泣き言はありながら、1度も「やめたい」「諦める」という言葉は無かった。その、選手の最後まで諦めない気持ちと、今回のこのレースで最も諦めの悪いペーサー(笑)によって完走まで漕ぎ着けられたのだと思う。100マイルはメンタルによるところが改めて大きい事を実感。
ペーサーは選手の完走に貢献しても、記録に名前が残らない。
そして、選手が仮にDNFとなった場合、少なからずペーサーにも責任があったのでは?と自戒の念に悩まされる。
とにかく選手が完走する以外にペーサーは報われないのだ。。だから、選手のために走っているが、自分の為でもあるのだ。
昨年、選手として走り、5回も乳(ニュウ)に行き、もうあの死ぬ思いを味わいたく無いので走る事は無いだろうと思っていたが、ペーサーとしてだが、今年も来てしまった。
さて、自分はいつになったら乳(ニュウ)離れできるのだろう?
OSJおんたけウルトラトレイル100マイル
おひさしぶりです。
前回のエントリーから5ヶ月ほどたってしまいました。そして、タイトルのこのレースも気がつけば2ヶ月を過ぎようとしていますが、7月に開催された
「OSJおんたけウルトラトレイル100マイル 2015」
を完走しました。
しかし、昨年は同レースで第2ループを通過した後に自己申告でリタイアしました。
- なぜ、前回は完走できなかったのか?
- なぜ、今回は完走出来たのか?
- 完走するために何をしたか?
- 今回レース中どんなことがあったか?
整理しつつ振り返ってみたいと思います。
改めて「おんたけウルトラトレイル100マイル」(以下おんたけ100マイル)とは、2011年から始った国内初の100マイルレースで、 今年5回目を迎えました。おんたけ100kmを14時間以内に完走しないとエントリー権を得られないという特殊な条件があり、昨年と今年は完走率30%を超えましたが、その前は完走率20%台で、今回のように30%台で完走率が高いと言われるので、完走の厳しいレースの一つではないかと思います。ちなみに自分は100kmを13時間台での完走だったので、ギリギリの出走権取得でした。 木曽王滝村の100kmに及ぶ作業用のジープ道をメインにした林道ばかりのコースで、夜20時にスタート。同じコースが重なるループが3カ所あり、そこで100kmのコースに60kmを追加して100マイル化しています。100km以上走るのに、同じ場所をダブって通るのは精神的ストレスは高く、晴れると日陰が無くて灼熱。雨だと雨が避けられず寒く、精神的にも環境的にもストイックなコースなこともあり、いろいろ文句を言いながらも、結局は100k/100mileにほぼ毎年出ている程のリピーターも多く、
「おんたけウルトラを走らないと夏が始まった気がしない。」
と言っている声も良く聞きます。もしかしたら、運動部の恒例の夏合宿のノリに近いのかもしれません。
("ブリーフィングの熱さ"はおんたけならでは)
昨年は第2ループを抜けた後に、体調の悪さもあり「次の関門に間に合いそうに無い」と思って 100マイルレースでは初のリタイアを申告。その後は友人のゴールを待ちながらゴールゲートを眺めていると、続々と100マイルの選手達がゴールしてきて、なぜ自分は諦めてしまったのだろう?と悔しい思いをしたので、
「来年は絶対ゴールしよう」
と強く思い、帰って部屋の目につく場所に「罰点のついたゼッケン」を貼り、翌年完走への準備が始まりました。
《準備をしてきたこと》
UTMFやUTMBは調子が悪くなって数時間休んでも、回復する関門時間の余裕がありますが、おんたけ100マイルは制限時間が厳しく、休んでいるとアウトなので、先ずは「調子を崩さないようにするにはどうしたら良いか?」ということを考えつつ、何で前回は50km程度で体調が悪くなってしまったのか?考えた結果、調子が悪くなった原因は、
「慣れない夜間走」
にあるのではないか?と仮説を立てました。
夜間走そのものが直接原因というわけではなく、夜間は普段は眠っている時間なだけに、日中同じ距離を走っている時より疲れが出やすく、 それによって体調が悪化しやすく、他のレースと違っていきなり夜にスタートするので、時差ボケのように調子が狂わされる。という感じです。昨年、自分はそれをリカバリーしようとしてレース中にあれこれ対策するも、体力も気力も消耗して上手く走れなくなってしまって、そんな感じで昨年のおんたけ100マイルは約70km地点の第2ループで終わってしまいました。
《おんたけ100マイル対策》
そして、夜間走慣れをするべく、2015年の年明けから毎月1回、50km以上の夜間ロング走を友人を誘っておこないました。冬場は多摩川の河川道(タマリバー50K)を走ったり、春からは高尾山や青梅高水のコースを走りました。おんたけのループコース対策として、敢えて「景色のつまらない」河川のコースや、同じコースを往復して距離を稼ぐ退屈なコースにしました。そのおかげもあって、夜間走への慣れが少なくとも昨年よりは出来ていて、結果的に「夜に調子を大きく崩す」ということは無かったので、これまでのナイトラン練習※は効果があったと思います。他にこのレースのために特別にキツい練習をしたということはなく、月に1回この練習をとりいれたのみです。(※ナイトランは危険を伴うので、必ず2人以上でしましょう)
(仲間との高尾山でのナイトラン)
《レース中に起こったこと》
今回はたとえ完走できないとわかっていても止められるまで前に進もうという覚悟で挑みました。そうしないと、後悔だけが残る昨年の二の舞。それだけはなんとしても避けたいと思いながらスタートしました。
夜間走対策もあり準備は万全に思いましたが・・・今回は突然のアクシデントに最後まで泣かされまくったレース展開でした。
まず最初に起こったトラブルが、40km地点での
「ライト故障」
です。
突然ライトが消えて真っ暗闇になり、もし、ライトがないまま行動すれば滑落してしまうかもしれないので一歩もそこから動けなくなりました。
「あぁ…終わった…」
予備バッテリーを持っていてもライト本体が故障してしまえば意味はありません。しかし冷静になって、「少し落ち着け!」と自分に言い聞かせて、静まり返った暗闇の中で、パックのサイドポケットから手探りで行動食をとりだし、それを食べてひと呼吸。今回の行動食はUltraLunchのマウンテンファッジ。カカオニブの苦みと香りが口内に広がり、パニック状態の気持ちをいい感じで抑えてくれました。
そして、しばらくして、いつもエマージェンシーキットの中に緊急用のPetzl e+Liteを入れていた事を思い出しました。それから、スマホのLEDライトもある事にも気がつきました。
「まだ行ける!」
これまでライトが故障したこともなければ、このe+Liteを使った事も無く、その存在をすっかり忘れてました。しかし、実際にe+Liteだけで行動してみると、明るいのは2歩先まで。先が見えず、走れたものではない明るさでした。
もう一つ不幸中の幸いだったことは、ライト故障したのが第2ループ入口の手前で、そのあとはしばらく街に降りるロード区間があり、ループの半分はライト無しで走れる区間があったことでした。早く明るくならないかと思いつつ長い登りを進んでいると空が明るくなってきた朝6時頃に前回リタイアした第2ループの関門に到着!
「まだまだ行ける、いや、ダメでも行くんだ!」
という強い気持ちで、前回DNFした約70km地点の第2関門を通過しました。
《しかし、まだアクシデントは続く…》
その後、デポのある第三関門までは走れる緩いアップダウンが続き、ライト無しで停滞したタイムをある程度挽回。今回は雨が降ったりやんだりの天候のおかげで、熱中症になる事を避けられたのは良かったです。
今回のレース中の作戦といえば、必ず毎時00分に行動食を摂ることを心がけました。たとえお腹が減ってなくても、必ず食べることにしました。逆に小腹が減ったなと思った時は時間に関係なく早めに食べました。その甲斐があってか?今回は最後まで集中力が途切れず、時計を見るとワープしたのか?というくらいあっという間に1時間が過ぎていたということが何度もありました。
そして、約103kmの第3関門に到着。 自分へのご褒美としてデポバッグに入れていた凍らせたフルーツや甘酒(アルコール無し)がいい感じに解けていましたが、制限時間に余裕があるわけでもないので、さっさと胃袋に放り込んで第三関門を出ました。その後、強い雨が降ったり止んだりを繰り返していたので、レインウェアを着ました。
そんなときに、2つ目のアクシデント発生。
110kmくらいの何でも無い林道で自分が蹴ったと思われる石が地面に跳ね返って、自分の膝のお皿に激突。最初、大したことないかな…と思っていたら、痛みがどんどん増してきて、途中から歩いたり走ったりの繰り返し。しかし、残りまだ50kmもある。
「ああ、今度は本当に終わった…」
しかし、昨年から長引いている臀部の肉離れの痛みがそれによってまぎれてくれるだろうと前向きに思うことにしてやり過ごしました。集中力も不思議と切れず、リズム良くストックを突きながら走って上るテクニックは相当慣れてきていました。もしストックが無かったら完走は厳しかったと思います。
そして、約120km地点の第3関門に辿り着き、毎回楽しみにしている素麺を2杯いただき再び走り始めました。しばらくすると、見晴らしの良い大きなピークに到着。100km部門ならここから下り基調になる最後の大ピークと言っても良いはずの場所に、ポツンと1台の車が見えました。それが第3ループの選手を誘導する車であることはピンと来ました。
「まさか、またここまで戻ってくるのか…?」
今まで味わった事が無い絶望感を味わいました。おんたけ100マイルの真の洗礼は120km以降にありました。第1、第2ループは夜間で景色が見えないので、ループコースをそう意識することなく走り抜けられますが、景色が見える第3ループはやはり精神的に堪えます。今年は本当は第3ループが廃止となり、「高樽の滝」を経由する100マイルだけの新コースのはずでしたが、台風の影響でいつものコースに戻ってしまいました。しかし、昨年のリベンジとしては同条件でゴール(しかも今年はコース変更で前回より厳しくなっている)出来た方が、リベンジの達成感はあるだろうと前向きに考えることにしました。
第3ループ入り口(100kmだと最後のウォーターエイド)に到着し、もうトラブルは無いだろう。。。と思っていたら、水の入れ替えのために背面のハイドレーションを取り出すと、ハイドレーションに穴が開いていることが発覚!(今回のパック専用ではなく、古いものを使っていた)
「今度こそ、マジで終わった…」
トレイルでの水が無い状態は死を意味するので、今度ばかりはGAME OVER…と思ってましたが、落ち着いて何か出来ないか?と考えると、そう、ここはウォーターエイド。ボランティアの方にお願いして使用済みのペットボトルを1本もらい、ハイドレーションの代用にしました。
「よし!これなら、まだ行ける!」
第3ループのコースを走るのは初めてでしたが、100km地点のウォーターエイドは、ほぼ町と同じ標高。そこから再び山の上まで約500mの標高を登り返します。後半は偽ピークが何度も来て心が折られるいやらしいコースレイアウト。そして、距離約140km地点でようやく先ほど見た1台の車がある第3ループ合流地点に到着。ゴールまで残り20km。もうこれ以上登る事はありません。これからは下り基調!と喜びたいところでしたが、先ほどの500mの登り返しでもう走れる脚が終わっていました。
夕方4時にもなると、既に前後には100kmの選手もいなくなり、コース上で一人になる場面が続きました。下りなのに歩いたり走ったりを繰り返していると、トレイルラン人生初かもしれない回収作業車に背後に着かれるというプレッシャーに会いました。今度は制限時間との戦いです。しばらく回収作業車に追われていたら、100kmの選手を追い越す場面が増えて、回収作業車からのプレシャーは無くなりました。
(最後の林道は快走(allsports写真は購入しています))
そして、先ほどペットボトルをもらった最後のウォーターエイドを過ぎて、ラスト7kmのロードをゆっくりジョグしながら進みます。車や沿道から既にゴールした知らない人から声援をもらったりして「今回は完走できるかも?」と思うと胸が熱くなりました。しばらくして、フラッグの並ぶ橋を渡り、最後の駐車場までの坂もきっちりジョグで走りきって既に閑散としたゴール周辺で、所属のRUN OR DIE!!やチームJETの仲間らに迎えられ、
(今回のパックは「 ultrAspire / ZYGOS 」ロングレースには最適の収納サイズと、使い勝手の良いポケットが豊富で快適でした。)
22時間26分56秒、遂におんたけ100マイルのゴールゲートをくぐりました。そして、昨年のDNFの悔しさは、いつの間にかどこかへ消えていました。
《まとめ》
これまで走ってきた100マイルレースでは、装備が万全なら体調が悪くなり、体調が万全なら装備が問題を起こし、体調も装備も万全なら今度は天候が邪魔をする…など100マイルレースは毎回何らかのアクシデントに会います。そういったアクシデントをどう回避するか?単に走力だけではない部分が問われるのが100マイルレースだと思います。そして改めて前回はDNFで今回完走出来た違いは、ナイトラン練習だけではなく、
「たとえ、制限時間に間に合わないとわかっていても前に進もう!」 と、スタート前に覚悟を決めたこと。
があったからだと思います。この気持ちは一度DNFを体験して悔しさを味わったからこそ、そう思えるようになりました。そして、ダメだったレースを再挑戦して完走できれば、過去の自分に勝った嬉しさはおそらく最初に完走してしまった時より大きいと思います。(実際そうでした!)
《完走できたポイント》
自分はおんたけ100kmのPBが13時間台なので、出走権としてはギリギリの選手ですが、以下が同レベルの人には参考になるかと思います。
1.「自分の巡航速度を作る」 先ず、この100マイルレースは走れる部分をしっかり走らない完走できない制限時間設定になっています。もちろん全く歩いていないわけではないし、辛い時は坂の半分走って半分歩くとか、自分に合ったリズムとペースを作って、それを最後までキープさせたのが良かったと思います。また、このレースは国内では珍しくストックが使えるので、使わない手はありません。後半脚が終わってきていても、ストックを突いて勢いをつけながら登りを走ることができるので、普段の練習の時もストックを使うと良いと思います。
2.「第2関門で諦めない」 100kmが13時間台の選手だと、第2関門は制限時間のギリギリでの通過になると思われます。しかし、第2関門に到着して第3関門までの30kmの距離に対して残りの時間が厳しいかも?と思っても、第2関門から第3関門の区間は平らなところが多く、走りやすいので思っているより早く走れます。なのでそこで"距離と気持ちに負けず"に勇気をもって第3関門に進めば、完走の可能性が高くなります。
3.「エネルギー補給は一定時間で」 このレースに限った事ではありませんが、行動食を一定時間で食べる事。急に追い抜かしたり、急に遅くなったりと、ペースにムラがある人を良く見かけましたが、そうすると無駄に体力を消耗するので、常に調子が一定になるような補給ペースにするのが完走のポイントだと思います。これは1.にも繋がります。
4.「夜ランに慣れておく」 最初にも書きましたが、年明けくらいから月1回ほどロングのナイトラン練習を取り入れると良いと思います。トレイルでなくロードでもOKです。
というわけで、100kmに2回、100マイルに2回と出たので今回の100マイル完走で、おんたけは一旦卒業したいと思いますが夏になるとやっぱり王滝村が恋しくなるのも事実で、また来年どうするか?考えたいと思います。
ストックが雑誌に掲載されました
自作ストックの情報が発売されたばかりの2誌とwebマガジンに掲載されました。
3年ほど製作を休止していたのですが、2015年になって、なぜか突然同時期に複数のメディアからお声がかかるというのは偶然か?モテ期が到来しているようです(笑)
さて、先ず1誌目は、
ベースボールマガジン社の「TRAIL RUNNING 2015」
こちらではトレイルランナーのガレージブランドとして紹介していただきました。同じページにはMMAも紹介されています。ストックの開発に至った経緯や使用実績をとてもわかりやすくまとめていただきました。
この「TRAIL RUNNING 2015」はトレイルラン界の最前線に立った選手であり、人気レースの主催者である鏑木毅選手や、石川弘樹選手らが、現在トレイルランニング界に突き付けられている問題が語られていて、トレイルランナーには絶対読んでもらいたい内容ばかりです。この最前線に立っている人たちの緊張感が1人でも多くのトレイルランナーに共有されれば、トレイルランニングの未来も良い方向へ進むと信じたいです。
続いて2誌目は、
学研ムックの「ウルトラライトスタイルVol.2」
こちらはMYOG(Make Your Own Gear)のハイカー寄りの自作アイテムとして紹介していただきました。こちらは雑誌のタイトルにあるようにUL(Ultra Light)がテーマで、道具の軽量化や工夫した点について焦点を絞った内容になっています。
面白いのが、紹介されているMYOGによるアルコールストーブやバックパックなど道具の種類は全く違うのに、製作者のコメントがみんな似ているという点でした。「売って無いから作る。」、「自分で納得したいから作る。」、「作るからには使う人の事を考える。」そういった開発者の熱い気持ちがヒシヒシと伝わってくるので、こちらも是非読んでその熱さを感じてほしいです。
それから、もう1件はトレラン王国のこだわりの逸品コーナーにて、ストックを製作しはじめた2009年にCCCを一緒に目指したjunさんに紹介していただきました。使っているユーザーの生の声として併せて読んでいただけると、上記2誌の記事がより面白く読める内容になっています。
そして、今後のストック製作についてですが、紹介いただいた2誌ではハッキリとどこで購入できるのか?ということは明記していませんでしたが・・・
休止していたストック製作を今月より再開します。
とはえいえ、これまで通り昼間の仕事の隙間に1本1本手作りで製作するスタイルはかわらずなので少量しか製作できません。環境が整ったら改めてこちらで詳細を報告をします。
ランニングで使えるDJアプリ
お久しぶりです。
OMM JAPAN RACEレポートをまだ書いていないのですが・・・ 今回はトレイルランblogらしからぬアプリ紹介です。
マラソンシーズンということもあり、ロードトレーニング時に音楽を聴く人は多いと思われますが、今回はその時に使える便利なスマホアプリです。
ノンストップで音楽をつなぐアプリは割と多いのですが、今回はロックもジャズもクラッシックも演歌もJ-POPもR&BもEDMもタンゴも・・・
「まるでFM番組を聴いているように、ナチュラルに繋いでしまう」
という設定方法です。
まず、アプリは「Djay 2」を使います。
無料版のLEがあるんですが、これには以下で紹介する「AUTOMIX機能」が使えないので有料版を購入する必要があります。
先ずはダウンロードしたら、以下の設定にしてみてください。
(1)AUTOMIXをタップ
(2)トランジションの設定
この画面になったら、まず一番下の「①トランジション」をタップします。
次に、トランジション画面に入ったら、以下の赤枠のまんまの設定にしてください。 ※3段目のオートシンクBPMはオフ(白ならOK)です。
設定が終ったら左上の「オートミックス」を押して前の画面に戻ります。
(3)プレイリストの設定
前の画面に戻ったら、
お好みで「②シャッフル」をONにします。
そして、「③プレイリスト」をタップすると以下の画面※になります(※iOSの場合)
ここで聴きたい曲のあるプレイリストを選んでください。 「とりあえず全曲だ!」という人は「ミュージック」を選んでください。 選んだら、左上の「オートミックス」を選択して戻ります。
これで準備は完了です。
最後に「④オートミックス開始」を押せばノンストップMIXがスタートします。
走りながら聴く場合、イヤホンのリモコンで再生/一時停止もできますし、自分で止めたい場合は画面左右隅にある緑の再生ボタンをタップすれば止まります。
注意したいのが、気が付かずに以下のボタン等を押してしまう可能性があるので、その際は落ち着いて以下を参考にして元に戻せばOKです。(インストールして触ってみればわかります)
【基本操作での注意】
- 緑の文字が誤って押してしまう機能ビッグ3
①SYNCボタン SYNCボタンが押されると、前の曲のテンポに合わせようとしてしまうので、もし再生がおかしいな、と思ったらSYNCを確認してONになっていたらOFFにしてください。
②BPMスライダー 画面左右端のBPMスライダーを上下に触ってしまうと、 テンポが早くなったり遅くなったりするので、もし再生スピードがおかしい?!と思ったら、BPMスライダーを中央(♪マーク)に戻してください。
③♪ボタン これはテンポが変わっても音程を変えないという強力で素晴らしい機能です。今回は押されても無害ですが、こういう機能があると知っておくと良いでしょう。
☆今回のおススメ設定のポイントは、
『1曲のピークが終わった頃合いに』
『次の曲につないでくれる』
ようになっています。
つまり、
『気持ち良いタイミングで次の曲に切り替わって』
くれます。
既存のアプリでのオートプレイやシャッフル機能だと、 1曲が再生した後に切り替わるので、そこが大きく違います。
そして、DJアプリですが、
『BPMを合わせる機能は、敢えてOFFにしています』
これはオールジャンルで繋いで聴くにはその方が都合が良いからです。
なんでもいいから「勝手にミックスしてほしい」という時に威力を発揮します。
このアプリはランの時だけではなく、 車で聴く際も、ホームパーティーのBGMや通勤中のBGMとしても使えますし、もちろんパーティーで本格DJプレイでも使えるので、 購入しても損はないと思います。
というわけで、ついノリノリでボリュームを上げてしまい、 周囲の音が聞こえず、事故を起こさないよう注意してください。
for Happy Running Life!